入間地区医師会

平成21年末から22年初頭にかけて新型インフルエンザウイルスが猛威をふるい、その際にはワクチンの供給不足もあって一部でパニック状態が見られたり、また、小中学校を中心に学級閉鎖が相次ぐなどの異常事態が生じました。そこで当医師会も早期の段階より行政と協力して新型インフルエンザへの総合的対策を目指した「インフルエンザ対策協議会」を立ち上げ、各種の情報がスムースに市民に浸透するよう努めました。

一方で、教育委員会にお願いし学校内での罹患児童数や学級閉鎖数を市内各医療機関は日替わりでファックスを送信して頂くことにしました。これによって学校での流行の推移がリアルタイムで把握でき、日常診療上大変役立った経緯があります。したがって有事の際には、このようなシステムが再度円滑に機能するようにとの思いで現在も市側との対策協議会を定期的に実施しています。

例年、防災の日に合わせ、地震、台風、豪雨などの自然災害に備え、市の指導の下、各地区の自主防災会や市内の関係機関、団体が協力しながら防災訓練が実施され、当医師会も毎年参加しております。

しかしながら、今後、時代の変化とともに外国からの大規模テロ等が発生する可能性が想定されることから、こうしたテロ事件などにも呼応した実利的な訓練も必要であろうとの意見書を数年前に当医師会が提出いたしました。

その結果、平成23年度から国民保護訓練として、市役所を始め消防署・警察・自衛隊・医師会傘下の各病院などのご協力の下に市内スーパーの駐車場で細菌の蔓延を想定した訓練、あるいは駅前広場を利用したバスジャック対策訓練などが実施されています。

本訓練は、市民の皆様からも広く指示が得られていますので、当医師会も今後とも積極的に参加していきたいと考えております。

急速に高齢化が進む中で医療費もかさみ、各市町村が運営する国民健康保険事業も赤字運営を余儀なくされています。そこで、膨らむ医療費を抑制する試みとして、入間市及び越生町では、県下でもいち早く「糖尿病の重症化予防事業」に取り組んでいます。これは、そのままだと透析療法に移行する恐れのある患者さんを抽出し、有効な保健指導を一定期間行うことによって、重症化、すなわち糖尿病性腎症の発症を防止しようとする事業でＮＨＫも興味を示し、行政との準備検討会の模様を取材にきました。本事業は現在も進行中ですが、やがて県下全域で実施されるものと期待されます。

医師会会員には日ごろから弛まぬ研鑽が求められているわけであり、ご期待に沿えるよう努力しております。そして学術研修の場として臨床各部門で指導的立場にある医師を招いて勉強会を月に複数回開催し、会員相互間の情報の共有化や知識の向上を図っています。

• 入間肝臓懇話会：肝臓疾患を中心に、同分野の第一線で活躍中の著名な医師を講師としてお呼びし、研修会を重ね年２回ペースで行っています。現在までに20回を越える講演を実施し、会員へアップツーデートの情報を提供しています。
• その他の集会：他にも「入間市糖尿病を考える会」、「入間市消化器研究会」、「入間呼吸器疾患研究会」など、疾患グループ別の勉強会も例年継続的に開かれています。

かつては衛生懇談会と呼ばれていましたが、平成22年度より入間市四師会と名称を変更し、年に１度、日ごろから市民の健康を預かる医師会・歯科医師会・薬剤師会・柔道整復師会の会員が一同に会し、各団体の年間の活動状況を報告するとともに検討課題について種々意見交換がかわされます。

また、毎年例会の目玉として各界の名士を招いてご専門領域の最新のトピックスをお話し頂いております。

入間市健康福祉センターまつりは、市民、関係団体、市が協力し、健康と福祉のまちづくりイベントとして、平成16年から入間市健康福祉センターを会場として毎年3月に開催されています。

当医師会でも、医師による対面式の健康相談を始め、血液型検査、血管年齢測定、骨粗鬆症検査などを毎年行い、市民の健康保持・増進に寄与しています。